【 政策調整の内容 】
中国政府は原材料を輸入して中国で加工・組み立てて製品として輸出する「加工貿易」の優遇策を大幅に見直す。全体の 15%に相当する 1853品目について、原材料の輸入時に保証金を用意することを義務づける。加工貿易型企業はあらかじめ資金を積み増す必要があり
、財務負担が増すのは確実だ。
対象品目はプラスチック原料や紡績、布、家具、金属粗加工品など。8月23日に施行する。
加工貿易型工場が対象品目を製造するには、原材料の輸入時にかかる税金の半分もしくは
全額を保証金として銀行口座に積み立てておく必要がある。同時に広東省や福建省、上海市
、天津市など沿海部の10省・直轄市で、今後は対象品目の製造を目的とする加工貿易型企業の新たな設立は認めない。
商務部筋は、今回の加工貿易政策の調整の主な目的は輸出製品構造の最適化、エネルギー多消費・高汚染・資源性製品輸出抑制の厳格化、低付加価値・低技術レベルの製品の輸出の減少、貿易摩擦の低減を図り、貿易黒字の過度増加がもたらすさまざまな際立った矛盾を緩和し、加工貿易のモデルチェンジ、外国貿易の成長パターンおよび経済の持続可能な発展の実現を促すことにあるとしている。
今回の加工貿易政策調整は、巨額の貿易黒字を減らすうえで大きな役割を果たすと見られている。ここ数年、中国の巨額の貿易黒字は中国と欧米の間の貿易摩擦を激化させるばかりか、人民元の切り上げ圧力をも増幅させている。加工貿易が中国の輸出入貿易総額に占める
割合は約50%を占めており、中国の貿易黒字急増の最大の原因ともなっている。
データでは、2006年の中国の加工貿易関連輸出入額は8319億ドルで、同年の輸出入貿易総額の47%を占め、1889億ドルの貿易黒字を作り出した。
税関総署のまとめによると、この2カ月の企業の駆け込み輸出により、上半期の中国の累計貿易黒字は1125億ドルに達し、前年同期比83.1%増え、中でも6月の貿易黒字は269.1億ドルとなり、単月の貿易黒字では最高を記録している。 |