『連結納税申告の廃止に伴う累計年度で発生した欠損の補填に対する
企業所得税処理に関する公告』
8月25日付けで、国家税務総局より『連結納税申告廃止に伴う累計年度で発生した欠損の補填に対する企業所得税処理に関する公告』(国家税務総局公告2010年第7号)が公布され、連結納税申告を廃止後、累計年度で発生した欠損の補填について、以下の通り処理方法を公告した。
第一条、企業集団が企業所得税の連結申告を廃止後、2008年度末までで、企業集団が連結決算した累計欠損のうち、『中華人民共和国企業所得税法』18条による5年間の繰越欠損補填期限内に合致している場合、当該欠損金を企業集団のメンバー企業(企業集団本部を含む)に分配し、剰余繰越期限内での繰越補填が可能である。
第二条、企業集団は各メンバー企業の2008年度末までの累計所得税申告書の損益状況に基づき、単独決算で欠損発生のメンバー企業の場合、上記一条に規定されている継続補填可能の欠損金を処理することができる。利益発生のメンバー企業は、欠損対象企業に入らない。具体的な補填額算式は以下の通りである。
メンバー企業
補填可能な欠損額
|
=
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メンバー企業の補填未処理欠損額
各メンバー企業の補填未処理欠損額総額
|
×
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企業集団の補填可能な
累計損益欠損総額
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第三条、企業集団が上記二条規定で欠損額を分配する場合、企業集団の連結決算の欠損発生年度に応じて、各メンバー企業の実際補填可能の欠損額発生年度及び剰余繰越期限を確定しなくてはならない。
第四条、企業集団が上記方法で各メンバー企業の補填可能欠損額を計算後、『企業集団累計欠損の分配表』(付属資料をご参照)に必要事項を記入の上、各メンバー企業に通知後、且つ企業集団の所轄する税務局に提出しなくてはならない。
第五条、本公告は2009年1月1日に遡って実施する。
注:
企業集団とは資本を主要連結紐帯、親子会社を主体、集団定款を同様の行動規範としており、親会社、子会社、資本参加会社及びその他メンバー会社からなっている企業法人連合体のことである。
企業集団になるには同時に下記四つの条件を揃える必要がある。
1、企業集団の親会社(核心企業)の登録資本金は、5000万人民元以上で、且つ、子会社を5社以上(5社を含む)有すること。
2、親会社(核心企業)と子会社の登録資本金総額は1億人民元以上であること。
3、企業集団の親会社(核心企業)は有限責任会社または株式会社に登録されていること;国有企業で集団企業の核心企業になる場合、当該国有企業の登録資本金は1億人民元以上であること。
4、各メンバー企業は一律に法人資格を有すること。
付属資料:企業集団累計欠損の分配表
アスカコメント:
一、『財政部、国家税務総局:試行企業集団の所得税納付に関する通知』(財税[2008]119号)によると、2009年度から、一部の企業集団の企業所得税連結申告は廃止されたことになる。したがって、本公告は新しいものであるにもかかわらず、2009年1月1日に遡って実施するのである。
二、目下のところ、2009年度の企業所得税の決算納付は既に完了しているが、『国家税務総局:2009年度企業所得税の納税申告に関する通知』(国税函[2010]249号)によると、2010年5月31日以後公布された企業所得税条文の関係で、2009年度企業所得税の修正申告、企業所得税の追加納付(あるいは還付)の必要が発生する少数納税者について、2010年12月31日までに税務局にて企業所得税の修正申告が可能である。よって、関係する企業集団が、補填未処理の欠損がある場合、税務局での修正申告が可能になる。
以上