『9月度個人所得税申告に関する上海市税務局回答』
国家税務総局2011年46号公告(アスカ週刊第201号を参照)により、納税義務者が2011年9月1日(含)以後に実際取得した所得は、修正後控除額と適用税率を基に課税額を算出するとされているが、上海市税務局税務申告システム更新が完成されておらず、9月度申告すべき個人所得税の修正後税率を適用させることが困難なため、当該問題について上海市税務局は『個人所得税法修正後の申告方法に関する回答』を公布し、主な内容は次の通りである。
1.納税義務者が9月度に実際取得した給与、賃金所得については、源泉徴収義務者が修正後税法に基づき課税額を算出し代行控除する。
2.源泉徴収義務者者が10月15日までに主管税務部門に上記代行控除済み個人所得税を申告の上、代行納付しなければならない。(10月度個人所得税申告期間は国慶節休暇と重なっていることで、中華人民共和国徴税管理法により10月度個人所得税申告期間は10月24日まで順延する。)
説明例:
中国人従業員8月度給与を8月に計上し、9月5日に従業員に支給した場合、当該給与は9月度に実際取得した給与と見なされ、企業は源泉徴収義務者として10月15日までに当該従業員の給与に係る課税額を修正後控除額(3500人民元)と税率により代行控除の上、申告し代行納付をしなければならない。
中国人従業員給与を当月(例えば、2011年1月)に支給し、当該給与に係る課税額の当月(例えば、2011年1月)申告を行ってきた企業の場合、9月度に支給された従業員給与については、9月15日までにゼロ申告(注:全従業員がゼロ申告の対象となり、10月15日までに実際申告の上、個人所得税を納付する。)しなければならない。但し、今後、国家税務総局2011年46号公告及び修正後個人所得税法関連規定により当該月に支給し、翌月15日までに課税額を申告し、納付しなければならない。
原文リンク:『個人所得税法修正後の申告方法に関する回答』
『隣国との貿易(中国本土と本土以外の地域や国との貿易)における
人民元決済の試行地域拡大に関する通知』
このほど、中国人民銀行、財政部、商務部、税関総署、国家税務総局及び中国銀行業監督管理委員会の共管で、『隣国との貿易における人民元決済の試行地域拡大に関する通知』が公布され、主な内容は次の通りである。
一、中国本土における人民元決済の試行地域は、河北、山西、安徽、江西、河南、湖南、貴州、陜西、甘粛の各省、寧夏回族、青海の各自治区に拡大する。これで試行地域は中国本土全体となる。
二、上記11(9省2自治区)の新規試行地域に登録されている企業が『隣国との貿易における人民元決済の試行管理方法』(以下、『試行管理方法』という』より、人民元で、輸入貿易並びにサービス貿易及びその他経常項目の決済を行うことができる。
三、吉林省、黒竜江省、チベット自治区、新疆ウイグル自治区など4省(自治区)の試行企業は、『試行管理方法』に基づき、中国本土以外の地域や国との輸出貿易において、人民元で決済することが可能となる。
アスカ説明:
中国外貨管理上、外貨取引を「経常項目」と「資本項目」に分類しており、「経常項目」とは、国際収支に係る貨物、サービス、収益及び日常的に移転が行われる取引項目を指す。「資本項目」とは、国際収支において、対外資産及び負債に変動をもたらす取引項目を指し、資産移転、直接投資、証券投資、デリバティブ商品及び借入金等を含む。
原文リンク:
『隣国との貿易における人民元決済の試行地域拡大に関する通知』
『隣国との貿易における人民元決済の試行管理方法』
以上