「防暑措置に関する管理方法」
中国国家生産安全管理監督総局、衛生部、人力資源(マンパワー)・社会保障部及び中華全国労働組合総会が2012年6月29日付け共管で『防暑措置に関する管理方法』(安監総安健〔2012〕89号、原文リンク1を参照)を公表し、主な内容は次の通りである。
一、企業は、「地市級」(地区・行政公署・自治州)以上気象主管部門に所属される気象台により発表される当日予報気温に基づき、作業時間を調整しなければならない。但し、人身・財産上安全又は大衆利益を守るための緊急対処が必要とされる場合はこの限りではない。
1、作業日当日最高気温が40℃以上(40℃を含む)である場合、作業者の露天作業を中止しなければならない。
2、作業日当日最高気温が37℃以上(37℃を含む)で、40℃以下である場合、作業者の当日における累計露天作業時間を6時間以上とさせてはならず、且つ最高気温が持続する3時間内では作業者に露天作業をさせてはならない。
3、作業日当日最高気温が35℃以上(35℃を含む)で、37℃以下である場合、企業は、交代制で作業者に作業させること等で、作業者の作業時間を短縮させなくてはならず、且つ、露天作業者に時間外勤務をさせてはならない。
4、企業は、妊娠中女性従業員と未成年者に35℃以上(35℃を含む)の炎天下での露天作業又は33℃以上(33℃を含む)の作業場内における作業をさせてはならない。
二、「炎天」のため従業員の作業が中止され又は作業時間が短縮された場合、企業が該当作業者の給与を差引き又は減算してはならない。
三、「高温環境下での作業」に従事している作業者は、法に基づき職務手当を受領することができる。企業は作業者に35℃以上(35℃を含む)の炎天下での露天作業をさせ、又は作業場内の温度を33℃以下にできなかった場合、該当作業者に高温手当を支給し、給与総額に組み入れなければならない。
四、企業は、「高温環境下での作業」又は「炎天下での作業」に従事する作業者に、十分で且つ衛生基準に適合している清涼飲料及び必要なる薬品を提供しなければならない。
企業は、財物を支給することで清涼飲料の提供に代えてはならず、また「高温手当」に代わるものとして、清涼飲料を提供してもならない。
五、作業者が「高温環境下での作業」又は「炎天下での作業」に従事することで熱中症を患い、診断の結果、職業病又は労働災害と認定された場合、労働災害の保険待遇を享受することができる。
六、本管理方法はが2012年6月29日より実施され、旧『防暑措置に関する暫定方法』は同日にて廃止される。
説明:
1、「高温環境下での作業」について
ここで言う「高温環境下での作業」とは、高温、もしくは強烈な熱放射の発生、高湿(相対湿度≥80%RH)など異常作業条件が重なり、WBGT(湿球黒球温度)が規制値を超過する環境のもとで行われる作業のことを指す。
2、「炎天」について
ここで言う「炎天」とは特に最高気温が35℃以上(35℃を含む)の天気のことを指す。気温の発表は「地市級」(地区・行政公署・自治州)以上気象主管部門に所属される気象台発表に準じる。
3、「炎天下での作業」について
ここでいう「炎天下での作業」とは、企業が作業者に「炎天」下での露天作業に従事させることを指す。
原文リンク:
1、『防暑措置に関する管理方法』
以上