中国国内において就業する外国人の社会保険加入に関する関連政策及びその実施状況について
このほど、お客様より中国国内において就業する外国人の社会保険加入に関する質問を受領した。今回週刊は、当該社会保険加入の関連政策及びその実施状況を取り扱うものである。
一、中国国内において就業する外国人の社会保険加入に関する関連政策について
2011年10月15日より『中華人民共和国社会保険法』及び『中国国内において就業する外国人の社会保険加入に関する暫定方法』(中華人民共和国人力資源·社会保障部令第16号)に基づき、中国国内において就業する外国人(以下、外国人と略)は、中国で社会保険に加入しなければならないこととなった。
中国と社会保険に係る二国間協定を締結している国家の国籍を有する外国人(ドイツ人、韓国人)が中国国内において就業する場合、その社会保険の加入方法は協定に基づき処理され、即ち、当該二国間協定対象国又は中国の何れか一つの国で、社会保険に加入すればよいとされている。これに対して、中国とは社会保険にかかる二国間協定を締結していない国家の国籍を有する外国人の場合は、中国において社会保険に加入しなければならず、日本は、当面では、二国間協定対象国ではないが、当該協定の締結に関する中日両国間での協議がすでに行われている。
二、社会保険加入に関する関連政策の実施状況について
上述関連政策の公布に伴い、中国本土において大部分の地域(例:南京市、蘇州市、広東省の一部都市)において、国の規定に従って、外国人の当地における社会保険加入が強制的となっており、と同時に税務上規定に基づき、当該外国人個人が中国国内において納付する個人負担分の社会保険料に対しては、個人所得税が免除されることとなっている。だが、上海市と広州市等その他一部地域では、国の規定に従って、外国人に対する強制的な社会保険加入を実施していないのが現状である。
また、ご注意願うのは、上述関連政策公布に伴い、外国人が中国国外で納付する社会保険料に対する個人所得税の免除優遇政策が廃止されたが、当面の企業様実際納税申告事情から見れば、各税務局では、企業様に対して当該個人所得税免除の廃止を実施しておらず、即ち、徴税政策と実際実施状況との間にズレが生じてきたわけである。税務上リスクを回避するため、今後より、企業様が個人所得税を申告する際、外国人が中国国外で納付する社会保険料に対する個人所得税の免除処理を行わないで、代わりに給料に計上の上、納税申告を行うよう推奨する。
以 上